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平均所得が高い自治体ランキング全国 TOP50|市区町村別の課税所得で比較

住みやすい街選びで、その自治体に住む人の所得水準は無視できない指標です。所得の高い自治体は商業施設・教育投資・医療インフラへの予算配分が手厚くなる傾向があり、結果として生活サービスの選択肢が広がりやすくなります。本ガイドでは総務省「市町村税課税状況等の調」(毎年度公表される自治体別の課税実態統計)をもとに、納税者 1 人あたりの課税対象所得を全国 1 万人以上の自治体で比較し、上位 50 自治体を紹介します。

全国の統計サマリー(対象 1,210 自治体)

中央値

305.4万円

平均

317.9万円

最大

1,396.7万円

最小

239.5万円

ランキング TOP50

対象は人口 1 万人以上の自治体(政令市は親市に集約)。値は納税者 1 人あたりの課税対象所得(千円単位)を万円換算で表示しています。

順位自治体万円
1港区東京都1,396.7万円
2千代田区東京都1,121.2万円
3渋谷区東京都1,073.7万円
4中央区東京都780.8万円
5目黒区東京都716.6万円
6文京区東京都707.2万円
7芦屋市兵庫県701.3万円
8新宿区東京都620.5万円
9世田谷区東京都619.8万円
10武蔵野市東京都581.1万円
11品川区東京都557万円
12鎌倉市神奈川県519.1万円
13杉並区東京都515.7万円
14軽井沢町長野県500.3万円
15江東区東京都498.6万円
16豊島区東京都495.8万円
17葉山町神奈川県488.8万円
18三鷹市東京都488.2万円
19台東区東京都482.2万円
20浦安市千葉県481万円
21国立市東京都480.6万円
22西宮市兵庫県475.7万円
23小金井市東京都472.1万円
24国分寺市東京都468.4万円
25中野区東京都466.4万円
26長久手市愛知県465.2万円
27逗子市神奈川県465.1万円
28大田区東京都464.4万円
29箕面市大阪府458万円
30調布市東京都449.4万円
31練馬区東京都447.4万円
32豊中市大阪府444.6万円
33日進市愛知県441.3万円
34吹田市大阪府439.4万円
35横浜市神奈川県436.8万円
36川崎市神奈川県435.3万円
37宝塚市兵庫県435万円
38みよし市愛知県430万円
39藤沢市神奈川県428.3万円
40狛江市東京都428.2万円
41つくば市茨城県427.1万円
42稲城市東京都426.3万円
43名古屋市愛知県425.4万円
44墨田区東京都423.5万円
45さいたま市埼玉県423万円
46生駒市奈良県422.7万円
47府中市東京都418.1万円
48大磯町神奈川県417.3万円
49流山市千葉県415.4万円
50西東京市東京都415万円

このランキングを見るときの注意

このランキングは「納税者 1 人あたりの課税対象所得」であり、世帯所得・可処分所得・年収中央値とは異なる数値です。共働き世帯比率や非課税世帯(年金生活など)の比率で自治体間の比較が歪むことがあります。

また、所得が高い街は地価・家賃・物価も高くなる傾向があり、「所得が高い = 住みやすい」とは限りません。住居コストや治安・利便性とのバランスを見たい場合は、住みやすさ総合スコアや個別の自治体ページの 8 軸内訳を併せて確認してください。

上位の街をピックアップ

1 位港区東京都 ・人口 260,486
なぜ上位なのか
金融・コンサル・IT・外資系企業の本社・拠点が集積し、納税者 1 人あたりの所得が日本の自治体で最上位水準。六本木・赤坂・麻布・白金などの高級住宅地と都心オフィスが共存し、高所得職層が継続的に集住しています。
注意したい点
地価・家賃が極端に高く、住居費が家計の大きな部分を占めます。子育て世帯にとっては保育所の競争率が高く、住居以外の生活コストも全国上位水準です。
向いている人
都心勤務で住居費を絶対値で支払えるトップ層、独身・DINKs 世帯で通勤利便性を最優先する人。
2 位千代田区東京都 ・人口 66,680
なぜ上位なのか
国会・霞が関・大手町・丸の内など日本の政治・経済の中枢を抱え、住人は少数ながら極めて高所得層が中心。企業役員・専門職・公務員の高位職など、所得トップ層の居住地として機能しています。
注意したい点
居住人口が約 6.7 万人と少なく、住宅供給も限定的。生活感のある街並みは番町・神田周辺に絞られ、買い物・教育施設の選択肢は周辺区に依存します。
向いている人
都心への徒歩・自転車通勤を最優先する高所得層、住居の希少性そのものに価値を感じる人。
3 位渋谷区東京都 ・人口 243,883
なぜ上位なのか
IT・スタートアップの集積、メディア・クリエイティブ産業の強さで高所得層を集めるエリア。広尾・松濤・代々木上原などの高級住宅地が点在し、都心アクセスの良さと住宅地の落ち着きが両立します。
注意したい点
渋谷駅周辺は商業密度が高く混雑が激しいため、住むなら住宅地エリアを選ぶ必要があります。住居費は港区と同水準で、家計圧迫は避けられません。
向いている人
IT・クリエイティブ系の高所得層、夜間活動が多い若手プロフェッショナル、外資系勤務者。

データ出典

総務省「市町村税課税状況等の調(しらべ)」(自治体別の課税実態を年次でまとめた統計報告書)令和 5 年度

「1 人あたり所得」が示すもの

納税者 1 人あたりの課税対象所得とは、給与所得・事業所得・退職所得などを合算した所得金額から所得控除(基礎控除・社会保険料控除・扶養控除など)を差し引いた金額の、納税義務者あたり平均値です。住民税の課税ベースとなる数値で、自治体の住民の経済力を測る最も標準的な統計指標と言えます。

総務省「市町村税課税状況等の調」が毎年取りまとめて公表しており、地方交付税の算定に使われる「基準財政収入額」の主要構成要素にもなっています。財政力指数とも連動するため、行政サービスの充実度を読み解く土台にもなります。

ただし、注意したいのは「世帯所得」や「可処分所得」とは異なる概念だという点です。納税義務者ベースなので、専業主婦/主夫世帯や非課税世帯(年金生活など)の所得は反映されません。世帯単位での経済力を比較する場合は、別途国勢調査の所得分布データなどを参照する必要があります。

上位自治体に共通する 4 つのパターン

ランキング上位の自治体は、大きく 4 つのパターンに分類できます。① 都心金融街型 — 東京都心部の特別区(港区・千代田区・渋谷区など)。金融・コンサル・IT 企業に勤務する高所得職層が集住しており、平均値を強く押し上げます。

② 高級リゾート住宅地型 — 芦屋市・軽井沢町・葉山町・鎌倉市など。富裕層の一次/二次居住地として歴史的に発展してきたエリアで、相対的に小規模ながら所得平均が極めて高くなります。

③ 大企業本社・基幹工場立地型 — 豊田市(トヨタ)、刈谷市(デンソー)、田原市(トヨタ田原工場)など。大企業の正社員雇用が地域経済の中核となっており、安定した中〜高所得層が厚いのが特徴です。

④ 原発・特定産業立地型 — 柏崎市・玄海町など。固定資産税収入で財政力指数は高くなりますが、1 人あたり所得は必ずしも全国上位とは限りません(財政力と所得は別指標)。

データを読むときの 3 つの注意点

1 つ目は「1 人あたり所得」と「世帯所得」が違うこと。前述のとおり納税者単位なので、共働き/単身者比率の違いで自治体間の比較が歪むことがあります。子育て世代の住みやすさを評価したい場合は、世帯所得や可処分所得の指標と併用すべきです。

2 つ目は、時系列で順位が大きく動く自治体があること。大企業の本社移転、新工場の稼働、原発の再稼働/停止などで急変するケースが見られます。最新データだけでなく、複数年トレンドを見ることで「一過性」か「構造的」かを判別できます。

3 つ目は、人口の少ない自治体での外れ値。高所得世帯が数世帯転入するだけで自治体平均が大きく動くため、本ランキングでは人口 1 万人以上に絞ってこのバイアスを抑制しています。さらに細かい統計安定性の議論は、本サイトの「データカバレッジ」ページで公開しています。

高所得 ≠ 住みやすい — トレードオフを理解する

1 人あたり所得が高い街は、ほぼ例外なく地価・家賃も高い傾向があります。例えば東京 23 区の中心部や芦屋市は、所得は全国トップクラスですが、住居コストも全国トップクラスです。住みやすさの観点では、所得と住居コストは表裏一体の関係にあり、片方だけを見て判断するのは危険です。

まちスコアの総合スコアでは、所得・住居コスト・治安・利便性・医療・教育・子育て・大気環境の 8 軸を加重幾何平均で集計しています。幾何平均を採用することで、ある軸が極端に低い(例: 所得は高いが住居コストも極端に高い)場合に総合スコアが大きく下がる設計になっており、「全方位で穴がない街」が上位に来やすくなっています。

実際、所得 TOP10 の自治体と総合スコア TOP10 はかなり顔ぶれが違います。所得だけで見ると都心と高級住宅地が並びますが、総合スコアでは地方中核都市の郊外(生活コスト中庸+治安・医療・教育バランス良)が上位に多く入ります。

移住・住み替え検討時の使い方

所得指標は移住先選びの参考になりますが、これだけで決めるのは避けたいところです。子育て世帯なら子育てスコアや教育スコアと、シニア層なら医療スコアや大気環境と、単身者なら通勤利便性や利便性スコアと組み合わせて見るなど、自分のライフステージに合わせた指標の読み方をおすすめします。

もう一つ大切なのが「自分が高所得を稼げる街かどうか」という視点です。所得平均が高い街は、近隣に高所得を生む産業集積(金融、IT、研究開発、製造業など)があることを示しています。転職やキャリア形成と連動して住む場所を選ぶのであれば、その街がどんな産業の中心地かという文脈で所得指標を読むのが有効です。

気になる自治体が見つかったら、まちスコアの city ページから 8 軸の詳細スコアと指標値をチェックしてみてください。所得だけでなく、住居コスト・治安・利便性などを横並びで見ると、自分にとっての「住みやすさ」が立体的に見えてきます。

よくある質問(FAQ)

「1 人あたり所得」とは何の数値ですか?

納税者 1 人あたりの課税対象所得です。給与所得・事業所得などを合算した所得から所得控除を差し引いた金額を、その自治体の納税者人数で割った平均値で、世帯所得や可処分所得とは異なります。

なぜ人口 1 万人以上の自治体だけが対象ですか?

人口が少ない自治体では、ごく少数の高所得世帯がランキング順位を大きく動かしてしまうため、統計的安定性を確保する目的で 1 万人以上を対象としています。

政令指定都市の区は含まれますか?

含まれません。政令指定都市は親市(横浜市・大阪市など)として 1 件に集約してランキングしています。

所得が高ければ住みやすいですか?

所得は住みやすさの 1 軸にすぎません。治安・医療・教育・住居コストなどを合わせて評価することをおすすめします。各自治体の総合スコアと 8 軸詳細はまちスコアの個別ページから確認できます。

データはいつのものですか?

令和 5 年度の総務省「市町村税課税状況等の調」(自治体別の課税実態を年次で集計する統計報告書、「調」は「しらべ」と読みます)のデータをもとにしています。年に 1 回更新される指標です。

平均所得が高い自治体は住みやすいですか?

必ずしも住みやすいとは限りません。平均所得が高い街は地価・家賃・物価も連動して高くなるため、住居コストとのトレードオフがあります。住みやすさを総合的に評価するなら、本サイトの住みやすさ総合ランキングや、住居コストとのバランスで見ることをおすすめします。

世帯年収と「1 人あたり所得」はどう違いますか?

1 人あたり所得は納税義務者ベースで、共働き世帯や非課税世帯の影響で世帯所得とはずれます。例えば共働き比率が高い自治体では、世帯所得は 1 人あたり所得の 1.5〜2 倍になることもあります。家計の総額で比較したい場合は別途世帯所得や可処分所得の指標を参照してください。

所得と地価のバランスが良い街はどこですか?

所得ランキング上位は地価ランキングでも上位に重なるため、両方のバランスを取るには「所得ランキング 30〜50 位 × 地価が突出していない自治体」を狙うのが現実的です。武蔵野市・三鷹市・芦屋市の周辺、地方中核都市の高所得層エリアなどが候補になります。

23 区以外で平均所得が高い街はありますか?

あります。芦屋市(兵庫)、武蔵野市・三鷹市・国分寺市(東京都市部)、鎌倉市・葉山町(神奈川)、宝塚市・西宮市の一部(兵庫)など、伝統的な高級住宅地や大企業の本社所在地が並びます。23 区中心部ほどではないにせよ、生活の質と所得を両立しやすい候補が多いです。

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