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財政が豊かな自治体ランキング全国 TOP50|行政サービスの余力を比較

財政力指数は、自治体がどれだけ自前の収入で行政サービスをまかなえているかを示す客観指標です。1.0 を超える自治体は、地方交付税に頼らず単独で必要な行政サービスを賄えることを意味し、住民にとっては「税収が安定し、独自サービスへの予算配分余力が大きい街」とも言い換えられます。本ガイドでは全国 1 万人以上の自治体から財政力指数の上位 50 を紹介します。

全国の統計サマリー(対象 1,187 自治体)

中央値

0.57

平均

0.60

最大

1.69

最小

0.17

ランキング TOP50

対象は人口 1 万人以上の自治体(政令市は親市に集約)。値は財政力指数(過去 3 ヶ年平均)です。1.0 超は地方交付税の不交付団体に該当します。

順位自治体指数
1六ヶ所村青森県1.69
2軽井沢町長野県1.61
3武蔵野市東京都1.48
4浦安市千葉県1.46
5豊田市愛知県1.42
6みよし市愛知県1.41
7箱根町神奈川県1.39
8神栖市茨城県1.38
9東海村茨城県1.36
10刈谷市愛知県1.31
11成田市千葉県1.29
12川越町三重県1.28
13東海市愛知県1.27
14長泉町静岡県1.26
15安城市愛知県1.26
16苅田町福岡県1.24
17小牧市愛知県1.22
18碧南市愛知県1.21
19四日市市三重県1.21
20戸田市埼玉県1.21
21厚木市神奈川県1.20
22府中市東京都1.18
23調布市東京都1.17
24大府市愛知県1.15
25大口町愛知県1.15
26三鷹市東京都1.14
27立川市東京都1.14
28昭和町山梨県1.13
29多摩市東京都1.12
30久御山町京都府1.12
31豊山町愛知県1.12
32竜王町滋賀県1.11
33幸田町愛知県1.11
34袖ケ浦市千葉県1.09
35市川市千葉県1.08
36鎌倉市神奈川県1.07
37聖籠町新潟県1.07
38長久手市愛知県1.06
39藤沢市神奈川県1.06
40寒川町神奈川県1.06
41三芳町埼玉県1.06
42つくば市茨城県1.05
43和光市埼玉県1.05
44市原市千葉県1.05
45大和町宮城県1.05
46印西市千葉県1.04
47国分寺市東京都1.04
48高浜町福井県1.04
49海老名市神奈川県1.04
50湖西市静岡県1.03

このランキングを見るときの注意

財政力指数が高い自治体は「行政が予算に余裕がある」街ですが、それは「住民が住みやすい」とイコールではありません。原発立地町・大規模工場立地町・観光リゾート地など、固定資産税収入で財政が豊かでも、人口減少や産業偏重などの構造的課題を抱えるケースも多くあります。

ランキング上位は『企業城下町型』『原発・大型インフラ型』『高級住宅地型』『都市近郊型』『観光資産型』など性格が大きく異なる自治体が並びます。「自分にとって住みやすいか」を判断する際は、生活コスト・治安・通勤利便性などとセットで見ることをおすすめします。

上位の街をピックアップ

1 位六ヶ所村青森県 ・人口 10,367
なぜ上位なのか
核燃料サイクル施設・原子力関連施設の立地で固定資産税収入が極めて大きく、財政力指数が 1.0 を大きく超える不交付団体です。人口約 1 万人の村でありながら、行政サービスの予算余力は突出しています。
注意したい点
産業偏重・人口減少・特殊事情の自治体で、一般的な「住みやすい街」の評価軸とは異なる構造です。生活インフラ・商業集積は限定的。
向いている人
関連産業勤務者、村内での生活を前提とした層。一般的な移住先候補としての性格は薄いです。
2 位軽井沢町長野県 ・人口 19,188
なぜ上位なのか
別荘地・観光地としての固定資産価値が町全体の財政を支えており、観光税収・宿泊施設の固定資産税収入も継続的。リゾート移住・二拠点生活先として全国的なブランドを持ち、税収基盤が安定しています。
注意したい点
観光地特有の物価高と季節変動。冬季は気温が氷点下、降雪も多く生活負荷あり。
向いている人
リゾート別荘地居住、リモートワーク中心で自然環境を重視する高所得層、二拠点生活希望者。
3 位武蔵野市東京都 ・人口 150,149
なぜ上位なのか
吉祥寺を中心とした商業集積で法人税・住民税ベースが厚く、「生活実感のある豊かな街」として継続的に高水準。教育環境・治安・利便性も都内トップクラスで、財政力と住みやすさが両立する稀なケースです。
注意したい点
住居コストが東京都内でも上位水準で、物件供給は限定的。賃貸・購入ともに家計負担が大きくなります。
向いている人
都心アクセスと住宅地としての落ち着きを両立したいファミリー層、長期居住志向の中〜高所得層。

データ出典

総務省「地方公共団体の主要財政指標」令和 5 年度

財政力指数とは何で、なぜ重要なのか

財政力指数は、自治体が必要な行政サービスをどれだけ自前の収入でまかなえているかを示す指標です。基準財政収入額(地方税などの自主財源)を基準財政需要額(標準的に必要とされる行政コスト)で割り、過去 3 ヶ年平均で算出されます。

数値が 1.0 を超える自治体は、自前の収入だけで標準的な行政サービスを実施できると判定され、地方交付税の「不交付団体」になります。日本全体で不交付団体は数十〜百自治体程度しかなく、財政力指数 1.0 超は珍しい部類に入ります。

住民にとって財政力指数が重要なのは、自治体の予算余力に直結するためです。財政力に余裕がある自治体は、子育て助成・医療費補助・移住支援金・公共施設のリニューアルなど、独自施策に予算を回しやすくなります。

上位に入る自治体の 4 タイプ

1 つ目は東京 23 区と都心隣接の自治体です。法人税・住民税の税収基盤が極めて分厚く、行政コストとのバランスでも常に上位に位置します。23 区自体は本ランキングでは個別比較していませんが、東京都全体や周辺の小金井市・武蔵野市なども高水準です。

2 つ目は原発立地・大規模工場立地の自治体です。固定資産税収入が群を抜いて大きく、人口規模に対して財政が異常に豊かになります。新潟県柏崎市、佐賀県玄海町、福島県大熊町(避難解除前)などが該当します。

3 つ目は大企業の本社・基幹工場立地の自治体です。法人税・住民税の両方で安定した税収があり、財政力指数が継続的に高水準を保ちます。愛知県豊田市・刈谷市、神奈川県厚木市などが代表例です。

4 つ目は観光・リゾート系で固定資産価値が高い自治体です。長野県軽井沢町、神奈川県箱根町、北海道倶知安町(ニセコ)など、別荘・観光施設の固定資産税が財政を支えています。

「財政力が高い ≠ 住みやすい」の落とし穴

原発立地町や大規模工場立地町は財政力指数が非常に高い一方で、人口減少・産業偏重・高齢化などの構造的課題を抱えていることが少なくありません。財政が豊かでも、街の活気や生活インフラが豊かであるとは限らないのです。

また、財政力指数が高い自治体ほど住居コストや物価が高くなる傾向もあります。特に都心型・観光リゾート型の自治体では、財政の豊かさが住民への給付に回るより前に、住居費の高さで打ち消されてしまう面があります。

財政力指数を見るときは、その豊かさが「住民への独自給付」「公共施設の質」「子育て支援」のどこに反映されているかを併せて確認することが大切です。本サイトの city ページでは、子育て・医療・教育のスコアもセットで表示されているため、立体的に評価できます。

財政力指数で読み取れる将来性

財政力指数は単年では大きく動きませんが、5〜10 年スパンで見ると変動が見えます。法人税の主要納付企業が撤退すれば数値は下がりますし、再開発で固定資産が増えれば上がります。「現在の指数」だけでなく「ここ 5 年の推移」を見ると、街の経済構造の変化が見えてきます。

財政力が下がっている自治体は、今後数年で住民サービスの縮小(補助金削減・公共施設の統廃合)が起きる可能性があります。逆に上昇トレンドの自治体は、独自施策の拡充や子育て支援の手厚さが期待できる可能性があります。

ただし、財政力の変動には外的要因(国の制度変更・大企業の動向)が大きく影響するため、移住先選びの主軸に据えるよりは「副次的な情報」として使うのが現実的です。

移住・住み替え検討時の使い方

財政力が高い自治体を選ぶことは、独自の住民サービスや行政の質に投資する自治体を選ぶことに近いです。子育て助成や医療補助の充実度を重視するなら、財政力指数を 1 つの参考指標にするのは合理的です。

ただし「住みやすさそのもの」とは別軸の指標であることを忘れないでください。本サイトの city ページでは、財政力指数とあわせて治安・住居コスト・利便性などの 8 軸スコアを並べています。財政力が高くて他の軸も整っている自治体こそ、住み替え検討の本命と言えます。

また、ランキングの順位だけでなく、「自分が候補にしている自治体の財政力が周辺と比べてどうか」を相対的に見る使い方もおすすめです。同じ通勤圏内で複数候補がある場合、財政力指数の差は中長期的な住民サービスの差につながります。

よくある質問(FAQ)

財政力指数とは何ですか?

基準財政収入額を基準財政需要額で割った数値の過去 3 ヶ年平均です。1.0 に近いほど自前収入で行政サービスを賄える割合が高く、1.0 を超えると地方交付税の不交付団体になります。

財政力指数が高い自治体に住むメリットはありますか?

税収基盤が安定しているため、独自の住民サービス(子育て助成・医療補助・移住支援金など)を充実させやすい傾向にあります。ただし地価・物価が高い地域も多く、コスト面でのトレードオフはあります。

原発立地・大規模工場立地の自治体が上位に入るのはなぜですか?

固定資産税収入が大きく税収基盤が分厚いためです。財政力は高くても人口減少や産業偏重などの別の課題を抱えていることもあります。

東京 23 区が含まれていないのはなぜですか?

本ランキングは政令指定都市・特別区を親市(東京都・横浜市など)に集約しています。23 区個別の財政指標は別の指標です。

データはいつのものですか?

令和 5 年度 総務省「地方公共団体の主要財政指標」のデータです。年次更新の指標です。

お金に余裕がある自治体は住民サービスが手厚いですか?

傾向としてはそうですが、必ずしもイコールではありません。財政力が高くても産業偏重型・観光リゾート型の自治体は、住民サービスより自治体運営の固定費に予算が偏ることがあります。逆に財政力中位でも、子育て助成や移住支援に独自に力を入れている自治体は多くあります。

不交付団体に住むメリットは?

理論的には行政の予算余力が大きく、子育て助成・医療補助・公共施設の質などで恵まれる可能性があります。ただし、不交付団体は財政力指数が高い理由(都心型・原発型・大企業型・リゾート型)によって性格が大きく違うため、自分が住む候補に合うかは個別に判断が必要です。

財政力が低い自治体に住むデメリットは?

中長期的に住民サービスが縮小する可能性があります。公共施設の統廃合、補助金の見直し、行政サービスの効率化(窓口縮小など)が進みやすくなります。ただし、すぐに大きな影響が出るわけではなく、5〜10 年スパンで考える話です。

子育て助成が手厚い自治体は財政力が高い?

必ずしも一致しません。子育て助成は「自治体の意思決定」の側面が大きく、財政力が中位でも独自施策で全国的に注目される街もあります(明石市、流山市、つくば市、奈義町など)。財政力ランキングと子育て施策ランキングは別軸として比較してください。

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